寒露 Kanro — 露が冷たくなる頃 · 10月8日 – 10月22日

クマ出没 2026|旅行・紅葉登山の前に:青森県は警報・秋田県と宮城県は注意報、県別の公式出没マップと遭遇時の行動

武甲山から浦山口へ下る登山道の木に掲げられた秩父市の「熊出没注意」の看板(埼玉県秩父市・2013年11月撮影)
Image: Guilhem Vellut from Annecy, France (via Flickr) · CC BY 2.0

クマ出没 2026 の要点:2026年10月14日時点で、青森県が県内全域に警報(11月30日まで)、秋田県(10月31日まで)と宮城県(10月30日まで)が県内全域に注意報を出している。本州と四国の一部にはツキノワグマ、北海道にはヒグマがいて、九州・沖縄の8県は「クマが生息していない」として環境省の調査の対象外。2025年度(2025年4月〜2026年3月)は出没も人身被害も過去最悪で、秋は冬眠に備えてクマの食欲が増す時期だ。紅葉の山歩きや温泉地の散策の前に、行き先の県の公式出没マップを開き、複数人で音を出して歩き、朝夕を避ける。クマに会ったら走らず、目を離さずにゆっくり後退する。

2026-10-14 確認。数字と助言は環境省(クマに関する各種情報・取組)・青森県・秋田県・宮城県・岩手県・消費者庁・日本政府観光局の一次情報による。出典は末尾。

どこにクマがいて、どこにいないか

地域クマ公式情報の要点
北海道ヒグマ生息。北海道は出没数を公表しておらず、情報は市町村ごと
本州(東北・関東・中部・近畿・中国)ツキノワグマ生息。多くの府県が公式の出没マップ・ページを持ち、環境省がリンクをまとめている(下の地図の節)
四国ツキノワグマ一部地域のみ
九州・沖縄なし「クマが生息していないので、調査外」(環境省)

出典:環境省「国立公園に出かける前に知っておきたいクマのこと」、「クマ類の出没情報(速報値)」の注2・注3。

環境省によれば、クマの活動期はおおむね3月〜11月で、冬は冬ごもりする(時期は地域や気候で変わる)。宮城県は今回の注意報で「これからの季節は、クマが冬眠に備え食欲が増し、行動が活発化する時期と言われている」としている。

数字で見る(環境省の速報値)

いずれも都道府県から聞き取った速報値で、今後変わることがある。

年度出没件数人身被害死亡
2025年度(2025年4月〜2026年3月)50,801件(北海道を除く)216件・238人13人
  • 2025年度は過去最悪。出没は5万件を超え、人身被害216件・238人・死亡13人はいずれも過去最悪だった(環境省 人身被害件数。nippon.com も環境省集計として報じている)。
  • 最も危ないのは10月。2025年度は10月だけで78件・89人の被害があり、年間の死亡13人のうち7人が10月3日〜27日に集中した(環境省 人身被害件数・死亡事故概要)。
  • 2026年度:4月〜8月にクマによる死亡は6人(岩手3人・秋田・山形・青森)(環境省 令和8年度速報値)。
  • どこまで新しいか:環境省は人身被害件数を「該当月の翌月第一週」、出没数を「翌月末」を目途に掲載する。10月14日時点で人身被害は8月まで、出没は7月までの速報値。新しい数字は環境省のページで。

確認できた注意報・警報(2026-10-14 確認・すべてではない)

クマの「出没注意報」「出没警報」は都道府県がそれぞれの基準で出す。名前も基準も県ごとに違うので、報道の要約ではなく県のページを見ること。

  • 青森県(弘前・奥入瀬・八甲田・十和田など):2026年4月20日〜11月30日、県内全域にツキノワグマ出没警報。注意報より一段上の警報です。8月22日には十和田湖畔の瞰湖台展望台付近で、県外在住の外国人観光客がクマに腕をかまれました(県の注意喚起)。
  • 秋田県:2026年10月1日〜31日、県内全域にツキノワグマ出没注意報。9月30日まで出ていた警報から切り替えたもの(秋田県のクマ情報システム「クマダス」)。
  • 宮城県(仙台・松島・鳴子など):10月1日〜30日、全市区町村にクマ出没注意報。9月の目撃等126件が発令基準114件を超えたため(報道発表・発令状況)。県は ①朝夕の行動を避ける ②クマ鈴など音を鳴らす ③多人数で行動する ④生ゴミを放置しない、を呼びかけている。2025年度の宮城県は7月29日〜12月31日まで毎月クマ出没警報を出していたので、10月30日以降は発令状況のページで延長・切替・解除を確認したい。
  • 岩手県(発令状況はページで確認):「秋の行楽シーズンはクマに注意しましょう」として、県民と岩手を訪れる人に「お出かけ前のクマ対策」の習慣化を求め、岩手県公式LINEで出没情報アプリ「Bears」を提供している(秋の注意喚起)。警報のページは2026年5月21日の更新が最後で、10月14日時点でその警報が続いているかは書かれていない。出かける前にこのページで現在の状況を確かめたい。
  • その他の県:下の表の公式マップへ。国立公園では、環境省はまずビジターセンターで現地のルールと最新の出没情報を確かめるよう勧めている。

出かける前に開く公式マップ

環境省は「都道府県が提供するクマ出没情報」として32都道府県のリンクをまとめている。ただし全県ではない。滋賀県・島根県は一覧に無いが、環境省の集計では2025年度に両県でも出没があるので、この2県は県のサイトで確認を。旅行者がよく行く地域を抜き出した。

都道府県地図メモ
北海道(ヒグマ)市町村のヒグマ情報リンク集市町村ごとのヒグマ情報へのリンク集。北海道は出没数を公表していない
青森県公式の出没マップ2026年4月20日〜11月30日、県内全域に警報
岩手県公式の出没マップ出没情報アプリ「Bears」は岩手県公式LINEで利用
宮城県公式の出没マップ10/1〜10/30 県内全域にクマ出没注意報
秋田県公式の出没マップ2026年10月1日〜31日、県内全域に注意報
山形県公式の出没マップ
福島県公式の出没マップ
栃木県(日光)公式の出没マップスマホではメニューから「アニマル」を選択
群馬県公式の出没マップ
新潟県公式の出没マップ
富山県公式の出没マップ
長野県公式の出没マップ
岐阜県(高山・白川郷)公式の出没マップ
京都府公式の出没マップスマホでは 自然環境・農林水産 → クマ目撃情報マップ

ここに無い県(埼玉・東京・神奈川・石川・福井・山梨・静岡・愛知・三重・大阪・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・岡山・広島・山口・徳島)は環境省の一覧から。

紅葉ハイキング・温泉街の散策の前に

環境省・宮城県・岩手県が住民向けに出している助言を、旅行の場面に合わせて並べた。

  1. 当日の朝に、行き先の地図を見る。登山口や町はずれに目撃があれば、別のコースを選ぶ。
  2. 一人で行かない。複数人のほうが音も出て安全。
  3. 常に音を出す。クマ鈴・ラジオ・会話。宮城県は「クマが人間の存在に気がつかず、バッタリと出会ってしまう状況が一番危険」としている。
  4. 朝夕を避ける。活動時間帯は朝夕・黎明薄暮時で、天気が悪く薄暗い日は昼間も動くことがある。霧や風のある日、沢沿いも要注意。
  5. 道を外れない。山菜やきのこに夢中になって山道からヤブに入るのが、クマに出会いやすく大変危険(宮城県)。
  6. 食べ物とゴミを置いていかない。ゴミの味を覚えたクマは人に近づくようになる。すべて持ち帰り、キャンプの食料もクマの取れない場所へ。
  7. 痕跡を見たら引き返す。フン・足跡・木の爪痕があれば、近くにクマがいると思って行動する。
  8. クマ撃退スプレー:航空機には持ち込めない(機内・預け入れとも)。必要なら購入・レンタルできる場所を事前に調べ、すぐ取り出せる位置に身に着け、使い方を確かめておく。

クマに出会ったら

  • 遠くにいるなら、来た道をそっと立ち去る。
  • 近づかない。撮影しない。
  • 大声を出さない、物を投げない。クマを興奮させるだけ。
  • 背を向けて走って逃げない。クマは人よりずっと速く、追いかけてくることがある。
  • クマと向き合ったまま、目を離さず静かにゆっくり後退する。無理に通り抜けず、立ち去るのを待つ。
  • 子グマがいたら、近くに必ず母グマがいる。絶対に近づかない。

襲われたら

地面に腹ばい(うつぶせ)になり、両腕・両手で首の後ろと頭を守る。ザックを背負っていれば背中は守られる。撃退スプレーを持っていれば、クマの顔面(目・鼻)を狙って噴射する。宮城県・岩手県・環境省が共通して示す手順だが、宮城県自身が「必ず大丈夫とは言えません」と書いている。だからこそ、上の「出会わないための行動」がいちばん大切になる。

連絡先

番号用途
119救急・消防(けが人がいるとき)
110警察
050-3816-2787日本政府観光局 Japan Visitor Hotline:24時間365日、英語・中国語・韓国語(JNTO)

子グマを見つけたときは、近づかずに市区町村役場などへ連絡するよう宮城県は求めている。

旅の計画のつづき

秋のクマの生息域は、紅葉と温泉の名所と重なる部分が多い。温泉地に泊まるならはじめての温泉の作法を、地域を問わず楽しめる体験は日本の文化体験ベストを。

出典


確認日 2026-10-14。数字は環境省の速報値で、都道府県の修正により変わる。注意報には期間がある。出かける前に必ず公式ページで最新の状況を確認を。更新履歴:2026-10-14 青森県の警報(11/30まで)、秋田県(10/31まで)と宮城県(10/30まで)の注意報、環境省の速報値(8月まで)で初版。

よくある質問

日本のどこにクマがいる?
本州と四国の一部にツキノワグマ、北海道にヒグマが生息する。九州・沖縄の8県は「クマが生息していない」として環境省の出没調査の対象外になっている。
2026年10月にクマ出没注意報・警報が出ているのはどこ?
2026年10月14日時点で、青森県が11月30日まで県内全域にクマ出没警報、秋田県(10月31日まで)と宮城県(10月30日まで・9月の目撃等126件が基準114件を超過)が県内全域に注意報を出している。注意報・警報は県ごとに出すので、行き先の県の公式ページと出没マップで確認を(2026-10-14 確認)。
クマに出会ったらどうする?
近づかない、大声を出さない、物を投げない、背を向けて走らない。クマと向き合ったまま目を離さずゆっくり後退し、立ち去るのを待つ。襲われたら腹ばいになり、両腕で首の後ろと頭を守る。けが人がいれば119番。
クマ撃退スプレーは飛行機に持ち込める?
持ち込めない。消費者庁と環境省は、クマ撃退スプレーは航空機に持ち込めない(機内・預け入れとも)としている。必要なら現地で購入・レンタルできる場所を事前に調べておく。
クマの出没マップはどこで見られる?
全国共通の地図は無く、多くの都道府県が公式の出没マップやページを持つ。環境省の「国民向けのクマに関する情報」は32都道府県へのリンクをまとめているが、全県ではない。滋賀県・島根県のように出没があっても一覧に無い県は、県のサイトで探す。北海道は市町村ごとの情報へのリンク集。

関連

全国

初めての温泉 — 暖簾をくぐってから脱衣所を出るまでの全手順

日本の風呂の作法は、ほぼすべて一つの原則から導かれる — 湯船の湯は共有のものであり、体を洗う場所ではない。座って使う洗い場で完全に洗い流してから入り、小さなタオルを湯に浸けない。これだけで9割は正しい。手順を順番どおりに、そして旅行者が実際にやってしまう6つの失敗も並べた。

全国

日本で体験したい伝統文化ベストガイド(予約方法つき)

日本で体験したい伝統文化の代表格は、**茶道・座禅・着物・侍&忍者・書道・陶芸・和太鼓・寿司づくり・芸妓文化・日本酒**。その多くは英語対応・予約制の1〜2時間ワークショップで、初心者でも参加できます。京都は洗練された伝統、東京は手を動かす体験が魅力。2026年時点の情報です。

MICHI 編集局
  • 日本文化体験 編集

日本文化の体験を一次検証し、作法とともに紹介。