初めての温泉 — 暖簾をくぐってから脱衣所を出るまでの全手順

日本の露天風呂
RickardA / CC0, via Wikimedia Commons

原則はひとつ

湯船の湯は共有のものであり、体を洗う場所ではない。清めた体で入り、入ったときと同じ清さで出る。

一見恣意的に見える温泉のルールは、ほぼすべてここから導かれる。この原則さえ掴めば、初めて入る浴場でも正しく振る舞える。

手順

1. 暖簾を読む。入口の暖簾に(青が多い)か(赤が多い)。旅館では両方の客が良い浴場を使えるよう時間帯で入れ替えることが多いので、昨日の色の記憶ではなく、毎回必ず漢字か掲示を確認すること。

2. 脱衣所の前で靴を脱ぐ。旅館なら玄関で既に脱いでいるはず(日本で靴を脱ぐ場面)。

3. 脱衣所で完全に脱ぐ。すべて籠かロッカーへ。水着も下着も短パンも不可。浴場に持ち込むのは1つだけ — 小さいタオル。

4. 座って洗う。壁沿いに洗い場が並び、低い椅子・シャワー・桶・石鹸・シャンプーがある。必ず椅子に座る(立ってシャワーを使うと隣にかかる)。髪と全身を洗い、泡が一切残らないまで流す。椅子と足元も含めて。

5. 洗い場を流す。離れる前に桶で椅子と周りを流しておく。これができる人は「分かっている人」に見える。

6. ゆっくり入る。湯温は40〜43℃のことが多い。縁に腰かけてから身体を沈める。飛び込まない。

7. タオルは湯に入れない。頭に載せるか、たたんで縁に置く。これは微笑ましい風習ではなく、外国人旅行者の失敗として最も目につくのが「湯船のタオル」である。

8. 長い髪は結ぶ。髪も湯に触れさせない。

9. 静かに浸かる。声は落とす。泳がない、水を跳ねない、往復しない。最初は10〜15分が目安で、それ以上は熱でのぼせる。

10. 脱衣所へ戻る前に拭く。小さいタオルを絞り、戸口で体の水気を拭う。完全に乾く必要はない — 次の人のために脱衣所の床を水浸しにしない、それだけでいい。大きいタオルは籠の中にあり、しっかり拭くのはそちらの役目。

旅行者が実際にやる6つの失敗

  1. 洗う前に入る。本当に不快がられるのはこれ。
  2. タオルを湯に入れる。上に次いで多い。
  3. 洗い場で立ってシャワーを使う。椅子には理由があって置いてある。
  4. 携帯を持ち込む。浴室・脱衣所での携帯は全面禁止。撮影は空の浴槽であっても不可。写真が欲しければ絵葉書を買うこと。
  5. 昨日と同じ側が男湯だと思い込む。手順1へ。
  6. 飲んだあとに入る。熱い湯と酒の組み合わせで人は倒れる。多くの施設が控えるよう掲示しているのは、細かいことを言っているのではない。

タトゥーは?

どの質問よりも多くの旅行者を止めているのがこれで、答えは実在し、しかも何年もかけて変わり続けている — 全面禁止の温泉もあれば、受け入れる施設も、シールで覆えば可の施設も、貸切風呂を案内する施設もある。入口ではなく、出発前に確認する価値がある。専用ガイド:タトゥーと温泉

温泉・銭湯・露天風呂

看板や案内に出てくる語なので押さえておくとよい。

  • 温泉 — 自然に湧く鉱泉を用いた浴場。温度と成分で法的に定義されている。
  • 銭湯 — 通常の方法で沸かした公衆浴場。作法はまったく同じ。たいてい安く、地元色が濃く、しばしばそちらのほうが面白い。法的・実務的な違いは銭湯と温泉の違いに。
  • 露天風呂 — 屋外の浴槽。別のルールがあるわけではなく、単にいちばん良い席。雪の日は特に。
  • 貸切風呂 — 予約制の家族風呂(45分程度が多い)。カップル、家族連れ、タトゥーのある人、そして単に人前で裸になりたくない人のための解。

旅館に泊まるなら

風呂は付帯設備ではなく1日の中心にある。多くの客は夕食前と朝の2回入り、備え付けの浴衣はそのための往復着でもある。館内の他の作法は旅館の作法、そもそも旅館とは何かは旅館とは、1日しか無いなら箱根の日帰り温泉で東京から夕食前に戻ってこられる。

最後にひとつ。浴衣は左前ではなく右前に — つまり自分から見て右の身頃を先に、左を上に重ねる。逆は死装束の合わせ方で、旅館の仲居が黙って直してくれる類の失敗だ。指摘されるより、そのほうが気まずい。

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本ページの料金・スケジュール・予約リンクは2026年8月9日時点で確認したもの。事業者は予告なく変更するため、渡航前に予約ページで再確認を。情報の古さに気づいたらご一報を。

よくある質問

温泉では完全に裸にならないといけない?
はい。男女別の伝統的な浴場(圧倒的多数)では裸が原則で、水着・短パン・下着はいずれも不可。例外は入浴着を指定する混浴、貸切の家族風呂、一部の現代的なスパ施設で、いずれもその旨が明示されている。
小さいタオルは何のため?
洗い場で体を洗うため、移動時に前を隠すため、そして脱衣所へ戻る前に体を拭くため。湯船には絶対に入れない。浸かっている間はたたんで頭に載せるか、湯船の縁に置く。頭に載せるのは冗談ではなく、標準的な解法である。
体を洗うのは入浴の前?後?
必ず前、しかも念入りに。洗い場の椅子に座り、備え付けの石鹸とシャンプーで髪と体を洗い、泡を完全に流し切ってから湯船へ向かう。湯船は体を清める場所ではなく、清めた体で入る場所である。
男湯と女湯の見分け方は?
入口の暖簾で判断する。男(青が多い)/女(赤が多い)。ただし色だけを頼りにしないこと — 旅館では両方の客がより良い浴場を使えるよう、時間帯で入れ替える例が多い。行くたびに漢字か掲示を確認すること。
タトゥーがあっても入れる?
施設による。状況はかなり変わってきており、今も全面禁止の温泉が多い一方で、受け入れる施設も増え、シールで覆えば可・貸切風呂を案内、という対応も多い。入口ではなく事前に確認したほうがよい。方針の見分け方とタトゥー可の探し方は専用ガイドで扱っている。

実際に体験する

onsen箱根

箱根の日帰り温泉 — 天山湯治郷と松坂屋本店を比較(料金・タトゥー可否・予約方法)

箱根の日帰り温泉2選を比較。天山湯治郷の共同浴場(¥1,450〜、当日受付)と松坂屋本店の貸切露天風呂(¥17,600〜/室)。実料金・営業時間・タトゥー可否つき。

英語OK · 天山:9時〜23時通年営業、時間制限なし。松坂屋本店:120分制、12時〜20時(最終受付18時) · 天山:大人¥1,450/子供¥700。松坂屋本店:1〜2名で¥17,600/室(120分、貸切露天風呂+休憩ラウンジ)、追加大人1名+¥8,800(最大4名)

MICHI 編集局
  • 日本文化体験 編集

日本文化の体験を一次検証し、作法とともに紹介。