だるまの意味 — なぜ両目が白いのか、どちらの目から入れるのか

だるまは両目が白いまま売られます。そこに意味のすべてがあります。願を掛けるときに片目を入れ、目につく場所に置き、願いが実際に叶ったときにもう片方を入れます。白いままの目が「まだ終わっていない」と言い続ける仕掛けです。
慣習ではだるまから見て左目(向かい合った人から見て右側)から入れます。ただしこれは慣習であって規則ではありません。高崎のだるま製造元は公式 FAQ で「だるまの目を入れる順序に正解はない」と述べ、「左目」という表現は「向かって左ではなく、だるま自身から見た左目」を指すと補足しています。
本記事の情報は 2026-08-18 時点。
だるまとは誰か
だるまは菩提達磨(ぼだいだるま)を象った人形です。5〜6世紀ごろにインドから中国へ禅の源流を伝えた僧で、その系譜が日本で禅宗になりました。正月の縁起物の正体が仏教の祖師である、というのがこの人形の面白さです。
丸くて手足のない姿は、壁に向かって九年坐禅を続けた結果、手足が朽ちたという伝説に由来します。この形はそのまま機能でもあり、底を重くしてあるため倒しても起き上がります。七転び八起きという言葉が結びつけられる理由です。
産地——高崎
日本のだるまの約8割は群馬県高崎市で作られています。この数字は日本政府観光局(JNTO)と群馬県公式観光サイトの双方が挙げています。
起源は高崎の少林山達磨寺(1697年開創)に遡り、JNTO はここを「だるま作りの発祥地」としています。寺では正月の縁起物として達磨大師の姿を刷った札を配っていました。飢饉の後、寺の僧が型を作り、農民が張り子のだるまを作って縁日で売れるようにしたと伝えられます。JNTO は本格化を200〜220年前とし、創始者を豊岡村の山県友五郎と記しています。群馬県の公式ガイドは「起源には諸説ある」と慎重に添えており、この点は英語圏の記事が一つの説を確定事実のように書きがちなので重要です。
高崎だるまの顔をよく見ると、意匠は抽象ではありません。眉は鶴、髭は亀として描かれており、いずれも長寿の象徴です。
色と願い
赤が伝統色で、歴史的には疫病除けと結びついていました。現代の色展開は事実上「願いのメニュー」です。JNTO は次のように挙げています。
| 色 | 対応する願い |
|---|---|
| 赤 | 開運・家内安全(総合) |
| 白 | 忍耐・合格祈願 |
| 金/黄 | 金運・商売繁盛 |
| 黒 | 事業の成功 |
| 紫 | 健康・長寿 |
| 青 | 学業成就 |
| 緑 | 身体健全 |
| 橙 | 子宝・子どもの安全 |
| 桃 | 恋愛成就 |
これらは現代の工芸・商習慣として定着した対応であり、古来の教義ではありません。店の一覧が多少異なっていても普通のことです。
使い方
- 買って、願を具体的に決める。 達成したと判断できる程度に具体的にします。
- 片目を墨で入れる。 慣習ではだるまから見て左目。筆ペンで構いません。
- 見える場所に置く。 片目のままの顔が働き続けるのが設計です。
- 叶ったらもう片方を入れる。 叶う前には入れません。
- 一年ほどで納める。 願いが叶ったかどうかにかかわらず、求めた寺に納めて焚き上げてもらうのが習わしで、これをお焚き上げといいます。少林山達磨寺の住職は、正月明けに行うものとして説明しています。叶わなかっただるまを納めるのはごく普通のことで、この儀式は一年の区切りであって、達成度の判定ではありません。
焚き上げは義務ではなく、誰も確認しません。ただし納めるところまでが一巡であり、だるまが毎年正月に新しく求められるのはそのためです。
どこで・いつ買うか
だるまは寺の授与所や工芸品店で通年入手できますが、伝統的な時期は正月です。押さえておきたい市が二つあります。
- 高崎だるま市 — 高崎駅西口前の中心市街地で、1月1日〜2日。
- 少林山七草大祭だるま市 — 少林山達磨寺で、1月6日〜7日。
群馬以外でも、初詣の参拝者が多い大きな寺では概ね扱いがあり、東京の工芸品店では高崎だるまを通年置いています。
土産として買う場合
だるまは飾りではなく道具です。白い目は「未完了の課題」を意味するので、贈るということは相手に約束の装置を手渡すことになります。意図していれば良い贈り物ですが、そうでないと少し妙な贈り物になります。開業する人、受験する人、療養中の人に、色を願いに合わせて贈る例が多く見られます。
日本の縁起物をもう少し広く見るなら、招き猫はまったく別の論理で働いています。達磨大師の背景にある仏教については禅とは何かを参照してください。
出典: 日本政府観光局(JNTO)「Try Your Luck with Takasaki Daruma」/群馬県公式観光サイト「高崎だるま」/高崎だるま製造元 公式 FAQ(daruma.jp)
よくある質問
- だるまはどちらの目から入れる?
- 慣習では、願を掛けるときにだるまから見て左目(向かい合う人から見て右側)を入れ、叶ったときにもう片方を入れます。高崎の製造元は「正しい順序は決まっていない」とし、「左目」はだるま自身から見た左目を指すと補足しています。
- だるまに手足がないのはなぜ?
- 壁に向かって九年坐禅を続けた達磨大師の手足が朽ちたという伝説に由来します。同時に機能でもあり、底が重いため倒しても起き上がります。「七転び八起き」の由来です。
- だるまの色にはどんな意味がある?
- 赤は開運全般、白は忍耐・合格、金は金運、黒は事業成功、紫は健康長寿、青は学業成就、緑は身体健全、橙は子宝、桃は恋愛成就とされます。現代の工芸・商習慣として定着した対応のため、店により多少異なります。
- 一年経っただるまはどうする?
- 願いが叶ったかどうかにかかわらず、求めた寺に納めてお焚き上げしてもらうのが習わしで、正月明けに行われます。叶わなかっただるまを納めるのは普通のことで、一年の区切りであって達成度の判定ではありません。
- だるまの主な産地はどこ?
- JNTO と群馬県公式観光サイトによれば、約8割が群馬県高崎市で作られています。1697年開創の少林山達磨寺と結びつく伝統で、本格化は200〜220年前とされます。
- 高崎のだるま市はいつ?
- 高崎だるま市は高崎駅西口前の中心市街地で1月1日〜2日、少林山七草大祭だるま市は少林山達磨寺で1月6日〜7日に行われます。