招き猫の意味とは? 上げる手・色・由来をすべて解説

招き猫は文字どおり「招く猫」という意味です。手のひらを前に向け、指を折り曲げて上下に振るあの仕草は、日本式の「おいで」の合図そのもの。欧米の人が「バイバイ」の仕草と勘違いしやすいのは、この違いのためです。
左手と右手、どちらが上がっているか
どちらの手を上げているかには意味があるとされています。左手を上げている猫は人やお客を招くとされ、お店や飲食店の入り口に置かれることが多いのはこのためです。右手を上げている猫はお金や金運を招くとされ、家の中やレジのそばに置かれる傾向があります。両手を上げている猫は「金運と人間関係の両方」を招く縁起物として売られていますが、この姿勢は「両手を挙げて降参する」ポーズにも見えるため、縁起が良くないと見る人もいます。どちらの解釈を取るかは、作り手やお店によって異なります。
手の高さにも意味があるのか
手を高く上げているほど、より大きく・より遠くの福を招くという俗説もよく語られます。耳より高く上げた手は長期的・遠方の運を、低めに上げた手は近い将来の運を招くとよく言われますが、これはどこか特定の権威ある文献に基づくものではなく、広く繰り返されてきた慣習的な言い伝えです。
色の意味
- 白 — 最も伝統的で一般的な色。福全般と清らかさを表す。
- 金・黄 — 金運と商売繁盛。お店でよく見かける色。
- 黒 — 厄除け・魔除け。
- 赤 — 健康運とも恋愛運とも言われ、諸説ある。
- ピンク — 恋愛・愛情運。
- 三毛猫 — 最も縁起が良く伝統的とされる柄で、ジャパニーズボブテイルという猫種と結びつけられている。日本の船乗りは、嵐や悪霊を払うと信じて三毛猫を船に乗せたと伝えられており、これが三毛柄が「定番」とされる理由のひとつ。
なぜ小判を持っているのか
多くの招き猫が手にしているのは小判——江戸時代に使われた楕円形の金貨で、一両の価値があったとされます。単純に富の象徴です。興味深いことに、この伝統と最も深く結びつく東京の豪徳寺に祀られている猫は、上げた手に何も持っていません。福を招くこと自体が贈り物であり、お金そのものではない、というのが寺の説明です。
招き猫はどこから生まれたのか
「これが発祥」と確定した話はなく、時代の異なる複数の寺の伝説が競合しています。最も広く知られているのは豪徳寺の伝説です。寛永年間(1622〜1624年)、井伊直孝が豪徳寺の門のそばで雨宿りをしていたところ、一匹の猫が手招きをして境内へ誘い、直孝がそれに従った直後、彼が立っていた場所に雷が落ちたといいます。感謝した井伊家はこの寺の檀家となり、寺は後にこの猫を祀る堂を建てました。他の寺には別の伝説も伝わっています。自性院には、15世紀(室町時代)の武将・太田道灌が道に迷った際に戦の前に安全な場所へ導いた猫の話が伝わっており、こちらは他の伝説より古い時代の話です。今戸神社には、亡くなった愛猫が夢に現れて「自分の姿を土人形にして売りなさい」と告げ、貧しい女性を救ったという話が残ります。招き猫についての最古の文献記録は、江戸の年代記『武江年表』の1852年の記述で、同じ年に歌川広重が浅草・浅草寺門前で売られる猫の人形を描いた浮世絵を残しています。
招き猫は日本のものか、中国のものか
発祥は間違いなく日本ですが、世界中の中華街や中国系コミュニティで非常によく見られるため、中国由来だと誤解されることが少なくありません。中国語圏では「金猫(ジンマオ)」と呼ばれることもあります。どの由来説を信じるにせよ、すべての伝説の舞台は日本です。