さるぼぼ(飛騨弁で「赤ちゃん猿」の意)は、高山を代表する民芸品だ。顔のない赤い豆型の人形で、もともとは祖母が孫のために縫い、良縁・安産・厄除けのお守りとして贈られてきた。古い町並みの軒先や土産物店にはさるぼぼがずらりと吊るされているが、既製品を買うのではなく自分の手で作るのは、また違った意味を持つお土産になる——手仕事の時間が、自分で縫った特別な一品に変わる。
この体験を運営するのは「飛騨高山思い出体験館」で、高山市内に2店舗を構える。1つは飛騨の里に近い店舗、もう1つは町の中心部に近い安川店だ。両店とも営業時間は10:00〜16:00(最終受付15:30)で、繁忙期を除き飛騨の里店は木曜定休、安川店は火曜定休。即興で立ち寄りたい旅行者にとって重要なのは、標準の体験メニューはどちらの店舗も予約不要という点だ。営業時間内に訪れれば、その場で制作テーブルに案内してもらえる。
【体験の流れ】あらかじめ裁断された胴体と頭の布地パーツを受け取る。中心となる工程は、胴体に柔らかい綿を詰め、スタッフの指導のもと針と糸で胴体と頭を縫い合わせること。その後、色や小さな装飾を選び、腹掛けにメッセージや漢字を書き入れて仕上げれば完成し、そのまま持ち帰ることができる。所要時間は体験館公式サイトの現行メニューによると約40分、料金はどちらの店舗も1名2,900円。(観光公式サイトhida.jpには2,500円・約30分という記載があるが、これは料金改定前の古い情報とみられ、体験館自身の公式サイトの方が現行情報として信頼できる。)予約サイトGetYourGuideでも同内容の体験が40分・約20ドル(約2,900円)からとされ、24時間前までの無料キャンセルも用意されている。予約を確定させたい人にはこちらが向いている。
【この体験を選ぶ理由】高山で有名な料理教室と比べると、さるぼぼ作りは短時間・低価格で、食事制限の事前調整も不要だ。古い町並みと飛騨の里の間の40分ほどの空き時間にちょうどよい。また、予約不要かつ英語対応が明確にうたわれている数少ない高山の工芸体験の一つでもあり、行程が固まっていない旅行者や、長時間座っていられない小さな子ども連れには特に向いている。春慶塗のように仕上がりまで数週間かかり自宅への発送が必要になる工芸や、一位一刀彫のようにより長い指導時間と熟練した手先が求められる工芸と違い、さるぼぼ作りはその日のうちに完成・持ち帰りができるよう設計されている。
【アクセス】飛騨の里店は上岡本町エリア、飛騨の里の近くにあり、高山駅から車で約10分。地域を巡る「さるぼぼバス」でもアクセスできる。三町の古い町並みから車なしで向かう場合は、バスの巡回時間や短距離タクシーの利用を見込んでおくとよい。一方、安川店は高山駅から徒歩約15分圏内にあるため、飛騨の里店の木曜定休や訪問タイミングが合わない場合は、火曜定休の安川店を検討する価値がある。
【実用メモ】これらの体験館で提供される工芸メニュー全体の価格帯は、品目により約1,000円から8,000円以上まで幅があり、標準のさるぼぼ作り(2,900円)はその中でも人気の中価格帯メニューに位置する。現金払いが無難な小規模な体験工房のため、訪問前に支払い方法と最新の営業時間を施設に直接確認するのが安全だ。特に繁忙期は営業時間が変わることがある。
- 手縫いしたさるぼぼをその日のうちに持ち帰れる
- 飛騨の里店・安川店とも予約不要
- 現地で英語表示・サポートあり
- 腹掛けにメッセージや漢字を入れてオリジナルにカスタマイズ可能
正式な儀式ではなく気軽な体験工房なので、堅苦しいマナーは不要。スタッフは簡単な英語や実演で教えてくれるため、分からなければゆっくり説明してもらって構わない。針と糸を使う工程は、施設側の案内どおり保護者が子どもをサポートすること。共有テーブルで他の来場者と一緒に作業するため、会話は控えめに。
